メモログ!~ITインフラSEの備忘録~

ITインフラ系システムエンジニアの雑記帳です。インフラ系の技術ネタをメモしてます。

ネットワークが急に遅くなる!よくある原因いくつか。

なんか急にネットが遅くなってきたんだけど。。。

そういう相談がたまに寄せられます。

わりと顕著に出る場合もあれば、あんまり体感差がない時もありますね。

そんな時、私が見るポイントをいくつかご紹介します。

みなさまのお役に立てれば幸いです♪

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そのケーブルは大丈夫??

小さいオフィスなどでよくあるのが、LANケーブルのカーペット下直配線。

カーペット下だと配線が分かりにくいのでよく踏んでしまいます。

オフィスチェアで踏まれたりしてると最悪ですね。。

LANケーブルは2芯1対が4対で作られてます。

この「より」のおかげでノイズ耐性が引き上げられ10M以上の通信速度を保証しているのですが、この「より」が踏み伸ばされてしまうことでノイズ耐性が著しく低下し、通信にロスが発生して遅くなる、繋がらなくなるといったことが起こります。

厄介なのはケーブルが断線したわけではなく通電できている状態なので両端の機器ではリンクダウンが発生せず、あたかも「正常に接続されてますよ~」と言い張ります。

また、LANケーブルのコネクタ(接続用端子)が過度の引張で伸びている可能性もあります。

これもノイズ耐性を落としています。

まずは自分のPC周り、デスク周りのLAN配線を確認してみましょう!

意外に治ったりすることもありますよ。

ある一定の時間帯に速度低下~通信断が発生する場合

私は、毎朝始業15分前~始業時にかけて発生し、しばらくすると落ち着くという事象を経験したことがあります。

機械に特に目立った異常はありませんでした。

発生の頻度は、平日月~金までは決まった時間に起こるけど、休日は発生したりしなかったり、発生しても時間は一定ではありません。

急な電圧低下でも発生して機器が不調を起こしたのか?と思ってみましたがUPSにそれらしいログはなし。。

はて、こまったな。。と思ってたある日、偶然不具合の引き金を見つけました。

それはオフィス全体の空調の元電源を入れると同時に発生しました。

経路を追いかけるとなんと空調用の強電と並行して長距離にわたりLANケーブルが通してあったのです。

しかも裸のまま。。。

つまり、エアコンの元電源を入れた瞬間に強電ケーブルに電気が一気に流れることによって発生した強いノイズがLANケーブルに乗ってしまって信号伝送を阻害して通信断になった、というものでした。

ノイズに弱いLANケーブルとノイズの発生源である強電ケーブルは近づけないようにしましょう。

場合によってはそうはいかないこともあります。

その場合はせめて1点交差させるだけに留めておきましょう。

ま、根本的なことですが、オフィスのレイアウトを変える場合には強電と弱電の経路をしっかり確認しましょうね、というお話でした。

オートネゴシエーションに失敗するというちょっとややこしい話。

最近のネットワーク機器やPCは自動で相手のLAN規格を判定し、自分の設定を調整するという機能があります。

ちょっと長くなりますが、LANの規格(伝送規格)についてお話ししておきます。

LAN規格は以下の組み合わせで設定されます。

・伝送速度:1000Mbps,100Mbps,10Mbps

・伝送形態:全二重、半二重

伝送速度は道路で例えると片側の車線数で、伝送携帯は道路通行方法(上下両方向か片面交互通行かの違い)と思っていただいて結構だと思います。

10Mだと片側1車線、100Mだと片側2車線、1000Mだと片側4車線って感じですね。

10M半二重だと片側1車線の対面交互通行(工事中とかでよくある光景ですね)ってところですね。

通常は自動判別モードで設定されています。

市販のPCもHUBなどのネットワーク機器も最初から自動判別になっています。

自動判別が動作すると、接続条件で最高性能が出せるように設定してくれます。

両端機器がGiga対応でかつケーブルもGiga可能であれば伝送速度:1000Mbps、伝送携帯:全二重となります。

利用者はただつなげばその時点で最高の条件で利用できるようになるのでとても便利な機能です。

この判別方式は手動で固定設定にすることも可能です。

固定設定しかできない機器や、通信品質を一定に保つために敢えて低いレートに縛りつけたい時などでは手動で固定設定にします。

接続ポート設定は伝送速度、伝送形態を両端で一致させる必要があります。

これが不一致を起こしている場合に突然の通信速度低下などが発生します。

100Mbps/全二重と100Mbps/半二重の状態を道路を例にしてみますね。

あなたが通行しているのは片側2車線、上下通行の全4車線の通行量がそこそこ多い道路です。(この状態が100Mbps/全二重です)

しかし、反対方向からは片側4車線の対面交互通行指示となっていました。(この状態が100Mbps/半二重です)

あなたが走っていると突然進行方向から大量に車が逆走してきました。

当然です。反対側からくる車はみんな同一方向4車線だと思っているのですから。。。

そうすると衝突が起こりますね。

運よく衝突しなかったとしても進むことはできなくなりますね。

警察が介入して交通規制が始まりました。

渋滞の始まりです。

原因が解決できるまでは渋滞が続きます。

通行量が少なくなるとそこそこの速度で通過できるようになります。

これと同じことがネットワーク上でも発生しています。

手動での固定設定の時はさすがに両端できちんと確認して設定しますからまぁ間違いはないでしょう。

問題は片側が自動判別になっているときです。

「自動判別なら相手が固定でも判別してくれるんじゃないの?」と思われがちですが、実はそうではありません。

このモードは「相手も自動判別の時に自動的に最高条件に設定してくれる」機能なのです。

相手の「最高条件」を判別できないとどんどん条件をさげていきます。

そして相手の固定設定を下回る条件で「自動判別」してしまうのです。

この、伝送モード不一致が起こると、通信量が少ない時はスムーズなのに大容量のダウンロードなどを始めると途端に遅くなる(渋滞が発生する)という現象になるのです。

往々にしてネットワーク機器側の設定ミスが原因になりますが、中にはまれにPCのネットワーク設定がされてしまっているのもあります。

ちょっとPCに詳しい系の人が速度を稼ぐつもりで最高設定にしちゃったということがありました。

自分のPCは1Gbps対応なのになんで100Mになってるんだよ!!って。。。

まま、あるあるな話ですので、「急に遅くなる時がある」って時はチェックしてみるのもありかもしれません。